カジノ内のレストラン経営はスマートな判断か?
カジノとは真のギャンブラーが一獲千金を夢見て運試しのためだけに行く場所なので、誰も食事にはこだわっていない、というのは本当でしょうか?カジノでゲストたちは永遠とギャンブルを楽しんでおり、一体何時間カジノ施設で過ごしているのか計り知れません。長時間ゲームに集中するためには、栄養たっぷりの食事は不可欠だと言えるでしょう。さらにフィンガーフードをつまみながらゲームをすれば、リラックスることにもつながるはずです。有名なカジノでは、通常ゲストにさまざまな食事が提供されています。
多くのカジノは、ゲストに食事を提供しています。少なくとも、フルサービスのカジノではビュッフェや 24 時間営業のカフェ、カジュアルなレストラン、ステーキハウスなど、さまざまなオプションがあります。これらの多くのレストランは、レストラン業が利益の中心であるとは考えていません。あくまでもカジノのマーケティングの一環として、ゲストが訪れたくなる魅力的なカジノリゾートを生み出すために営業しています。特にこれはゲーム以外の施設からほとんど利益を生み出していない地方の小さなカジノに当てはまります。例えば 2017 年、Ameristar の純売上高は 12 億 2000 万ドルでしたが、そのうちゲームの収益は 12 億 5000 万ドルでした。
販売促進割引(無料の食事や宿泊費など)が合計で 2 億 7400 万ドルあったため、カジノゲーム以外の収入源は赤字になりました(Ameristar、 2020)。カジノ運営者はレストラン経営がカジノゲームの収益に間接的な影響があるかどうか調べてみる必要があります。異なる顧客価値のグループ別に、食事とカジノゲームのプロモーションにどのような関係があるか念入りに分析するべきでしょう。収益性の高い顧客層はギャンブルに多くのお金を費やしているため、カジノにとって非常重要です。洗練されたレストランがこのような客層を惹きつけて、その結果カジノゲームに利益をもたらしていると考えてよいのでしょうか?
収益性の低い客層は前者ほど重要ではありませんが、顧客ベースのかなりの部分を占めています。このような客層を魅了するために低価格の食事のオプションも提供するべきだと言えるでしょう。
カジノマーケティングの消費者価値カテゴリーは非常に重要であるにも関わらず、客層やインセンティブレベル別の態度や行動についての研究はほとんどなされていません。しかし、レストランはカジノの収入の二次的な源であることが明らかになってきました。いくつかの研究はレストランの種類によってカジノとの関係が変化することを示唆しています。ラスベガスのカジノ客へのアンケートによると、カジノのコーヒーショップやグルメレストランで食事をしたカジノ客は、ゲームに費やした自己申告金額が高い傾向にあることがわかりました。しかし、ビュッフェ式の食事にはその関連性は見られていません(Roehl)。
毎日のカジノデータのレビューによると、カジノのカジュアルレストランでの食事は低価値(25 セント以下)のスロットコインインの推進力となっていることがわかりました(Tanford & Lucas)。ラスベガスのカジノと 2 つのリバーボートを調査したところ、レストラン客の人数とスロットコインインには深い関係性があることが示されています(Lucas and Santos)。
しかし2001 年、Lucas と Brewerはラスベガス地区のカジノのデータを調査し、レストランのカバーチャージとスロットの利用者には何の関連性もないことを示しています。カジノレストランでの食事は、再度カジノを訪れる可能性や友人にそのカジノを勧める可能性と関係があると指摘されています(Richard & Adrian, Yi & Busser)。